新しい機能を使える状態にしても、顧客に必要な周辺の条件が欠けていれば、目的の結果は得られません。
ホールプロダクト(Whole product)は、対象顧客が価値を得るために必要な製品、支援、連携、導入の条件を、全体として捉える考え方です。
製品へできるだけ多くの機能を詰め込むことではありません。

顧客が結果へ届くまでをたどる

たとえば、小規模な診療所が予約システムを導入するとします。
予約を入力できるだけでなく、既存の予定を移す、担当者へ操作を教える、患者へ案内する、問題が起きたら相談する、といった条件があります。
それらがそろわなければ、診療所は紙の台帳を使い続けるかもしれません。
製品の画面の外で誰が何をする必要があるかを調べます。

必要な範囲を顧客ごとに選ぶ

導入を自分で進められる顧客と、外部の支援を必要とする顧客では、不足する条件が異なります。
Chasm Groupも、初期の採用者と、その後の顧客で、提供全体への期待が異なることを扱っています。
一部の詳しい利用者が使えたことを、次の顧客も使える証拠としないようにします。
まず対象顧客と使う状況を絞り、必要な条件を具体化します。

すべてを自社で作る必要はない

既存システムとの接続や導入支援を、協力企業と提供する方法もあります。
ただし、担当の境界で顧客が取り残されないよう、問い合わせ先、責任、変更への対応をそろえます。
顧客が最初の利用から目的の結果へ進むところを試し、抜けた条件を見つけます。
連携先の名簿があるだけでは、実際の提供が保証されたとは言えません。

関連するモデルとの違い

中核製品や拡張製品は、提供価値を層で整理するモデルで使われます。
ホールプロダクトは、対象顧客にとって必要な全体がそろうかへ目を向けるため、範囲を一律に同じと決めないようにします。
新しい付加機能より、導入や運用の不足を直すほうが、価値へ近づく場合もあります。
継続して提供する能力はオペレーションと合わせて検討します。

参考資料