価値は、顧客がある目的を達成するために、製品やサービスをどれだけ役立つものと判断するかに関わる概念です。
製品の機能や製造原価だけで決まらず、利用する人、状況、ほかの選択肢によって変わります。
Lean Enterprise Instituteの定義も、価値を顧客の判断に結びつけています。

便益と負担を合わせて見る

仮に、駅前と自宅近くに荷物の受取ロッカーがあるとします。
料金が同じでも、通勤経路、受け取れる時間、荷物の大きさによって、使いやすい場所は変わります。
ロッカーの機能が多いことだけでは、誰にとって価値が高いかは分かりません。
利用者が達成したいことと、そのための手間を合わせて調べます。

製品開発では、得られる便益に加え、料金、習得、設定、移行、利用時の不安などを確認します。
金額以外の負担もあるため、すべてを一つの数値へ換算する必要はありません。
ただし、価値が高いという主張には、比較する相手と利用条件が必要です。
誰のどの負担が減るのかを示すと、改善案を具体的に評価できます。

顧客と提供者の価値

購入者と利用者が異なる場合、それぞれが重視する成果も違います。
管理者が費用削減を求めても、利用者の作業が増えれば、導入後に使われなくなる可能性があります。
Strategyzerのキャンバスのように、対象顧客ごとの仕事や困りごとを分けて整理すると、評価の食い違いを確認しやすくなります。

顧客に価値があっても、提供者が継続できるとは限りません。
顧客が得る成果と、料金や提供費用による事業の成立を分けて検証します。
また、顧客の好意的な感想、支払意思額、実際の購入や継続利用は、それぞれ異なる証拠です。
感想だけで価値を確定せず、実際の利用で期待した変化が生じるかを確かめます。
価値を説明する文を固定せず、顧客や代替手段の変化に応じて更新することが必要です。

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