製品や案件を一件ずつ評価すると有望でも、全体を並べると、顧客や使う技術が偏っていることがあります。
ポートフォリオ(Portfolio)は、組織が保有し、投資や優先順位の取引を行う製品や案件の集合です。
ここでは金融商品の集合ではなく、製品開発と事業運営の対象をまとめた意味で使います。

何を集合に含めるか

仮に、教育サービスの会社が、販売中の教材、学校向けサービス、個人向けアプリの開発案を持っているとします。
これらをまとめて見ると、新規の開発に加えて、既存教材の更新と学校への支援にも人が必要だとわかります。
開発案件だけの集合と、市場にある製品の集合を区別すれば、異なる目的の一覧を混同せずに済みます。
PDMAの用語集も、製品とプロジェクトのポートフォリオを区別しています。

集合の範囲には、対象事業、期間、投資の責任者を明記します。
全社と一部門では変更できる資源が違い、同じ優先順位にはなりません。
他部門の人員を使う案件を含めるなら、誰がその配分を決められるかを確認します。
一覧に載せたことと、管理権限を持つことは別です。

一覧に必要な情報

製品や案件ごとに、顧客、提供する便益、現在の状態、必要な資源、次の判断を記します。
販売中の製品なら売上と提供費用、探索中の案なら確認した問題と残る仮説など、状態に合う情報を載せます。
数値がない案をゼロ点扱いするのではなく、見積もれる段階かを区別します。
この区別がないと、根拠の薄い数字を作ることが評価の条件になってしまいます。

先ほどの会社で、学校向け案件がどれも年度初めに導入されるなら、売上の時期と支援の繁忙期が重なります。
個別の採算だけでは見えない、全体の負荷です。
同じ教材を使う関係や、アプリの完成が別サービスの前提になる関係も一覧に結びつけます。
必要なら、種類別の表と、資源を使う時期の図を分けて用意します。

一覧は判断の出発点

ポートフォリオを作っても、それだけで資源配分は変わりません。
何を続け、何を待たせるかを決める活動が必要です。
一覧の更新責任者と、変更があったときに記録する項目を決めます。
長く保留している案件も、実際に人を使っているかを確認します。

対象が多いことを豊富な選択肢と評価する前に、必要な仕事を完了できる余力があるかを見ます。
判断の手順はポートフォリオ管理、販売中の製品群は製品ポートフォリオ、案件の組み合わせはバランス型ポートフォリオへ進みます。

参考資料