自社の研究だけで製品を作る以外に、外部の知識を取り入れたり、自社の技術を他社で利用してもらったりする方法があります。
オープンイノベーションは、組織の境界を越える知識の流れを意図的に管理して、イノベーションを進める考え方です。
提唱者Chesbroughの所属するBerkeleyの解説は、知識の流入と流出の両方を扱っています。

外から取り入れる場合と外へ出す場合

仮の例として、包装機メーカーが大学の画像検査技術を製品へ組み込むとします。
自社にない認識技術を取り入れて、開発を進める方法です。
一方、自社で使い道の少ない搬送技術を別業界の企業へ許諾することも、外部での利用を通じた価値の創出になります。
共同研究やライセンスの形は、目的と知識の流れる方向によって選びます。

「オープン」は、すべての情報を無条件に公開する意味ではありません。
何を共有し、成果を誰が利用でき、費用と利益をどう分担するかを取り決めます。
研究成果を受け取るだけでなく、自社の製品へ統合し、製造や支援で使えるようにする能力も必要です。

協力相手の数より実装の条件

包装機の例なら、認識率を試験するためのデータ、稼働環境、処理時間、誤検出時の対応を共同で確認します。
研究室の試験結果が、そのまま工場の運用条件へ適用できるとは限りません。
既存設備との接続、保守、技術更新の担当も決めます。
成果の権利と利用範囲が曖昧なままだと、試験後の製品化で合意できなくなる可能性があります。

社外との面談数や契約数だけでは、製品へ生かせたかを判断できません。
取り入れた知識によって何を実現でき、どの時間や費用を減らせたかを確認します。
期待した成果が出ない場合は、技術の不足と、社内の受け入れや統合の不足を分けて調べます。

また、協力によって依存が生まれるため、相手の方針変更や提供終了への対応も計画に含めます。
自社で保持する能力と、外部から継続して得る能力を整理すると、提携を始める理由と見直す条件を共有しやすくなります。
広く募る方法が必要な場合は、課題を公開する範囲と採否の基準から設計します。

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