強度を上げると重くなり、薄くすると壊れやすくなるなど、改善したい特性同士が衝突することがあります。
TRIZは、こうした矛盾を整理し、発明のパターンを使って解決策を探索する体系です。
Altshuller Instituteの解説は、技術的矛盾と物理的矛盾を区別しています。

矛盾の形を具体的にする

技術的矛盾は、一つの特性をよくすると別の特性が悪くなる関係です。
物理的矛盾は、同じ対象に相反する性質が必要になる関係です。
仮の例として、運搬容器に「荷物を守るため硬くしたいが、空のときは小さく畳みたい」という要求があるとします。
硬さと収納性のトレードオフとして見る方法と、使用時には硬く、空のときには変形できる必要があると見る方法があります。

問いを変えると、全面を薄くする以外に、折れる箇所を限定する、部材を分割する、時間や条件によって状態を変える、といった方向を探せます。
TRIZの原理は、この探索の手がかりとして使います。
原理の名前が当てはまることと、設計として成立することは別です。

発明原理から試験条件へ

容器の例で折り畳み構造を選ぶなら、組み立て時の強度、繰り返し使用による損傷、清掃、費用を確かめます。
どの荷重と使用回数まで必要かを先に決めないと、見た目だけで案を評価することになります。
別の案と比べるときには、保護する荷物、運搬条件、保管方法をそろえます。
一つの矛盾を解いて、別の作業負担を大きくしていないかも確認します。

TRIZは、顧客がどの問題に困るかを自動で特定するものではありません。
顧客にとって不要な性能を高めるための矛盾を解いても、購入や利用につながるとは限りません。
要求の根拠を調べ、成立した設計案が実際の利用条件で役立つかを検証します。
また、得られた案の新規性や他者の権利との関係は、発想手法とは別に調査します。
矛盾、用いた切り口、候補案、試験結果を残すと、原理の一覧を眺めるだけで終わらず、設計の判断を引き継げます。

関連する記事:SCAMPER法、顧客ニーズ、特許。