DFX(Design for X、Design for Excellence)は、製造性、組立性、保守性、環境への影響など、重視する観点を設計の早い段階から検討するアプローチの総称です。
Xには、対象とする品質特性やライフサイクル上の活動が入ります。
「優れた設計」を漠然と目指すだけでなく、何を、どの条件で良くするかを具体化します。

一つの観点を改善すると、別の観点へ負担が移ることがあります。
部品を一体化すれば組立作業を減らせても、故障時の交換範囲が広がるかもしれません。
DFXでは、専門分野ごとの知識を設計へ持ち寄り、こうした関係を検討します。

対象と目標を絞る

仮に、業務用の空気清浄機を開発するとします。
組立性設計では部品の取り扱いや固定方法を、保守性設計ではフィルター交換や清掃のしやすさを検討します。
リサイクル性設計では、廃棄後に材料を分離できるかが課題になります。

これらをすべて「簡単にする」と表現しても、設計案を比較できません。
組立時間、交換に必要な道具、分解して回収できる材料の割合など、対象に応じた評価項目を選びます。
安全や必要な性能は、改善のために任意に下げてよい条件ではありません。
満たすべき制約と、その範囲で改善する目標を分けます。

設計判断へ組み込む

専門家の確認を、図面の完成後にまとめて行うと、大きな変更は難しくなります。
コンセプトや構造を選ぶ時点から、影響の大きい観点を検討します。
設計が具体化するにつれて、形状、材料、寸法、工程などの詳細な確認へ進みます。

複数の案を比較する際は、同じ前提を使います。
年に何台作り、誰が保守し、どの設備で製造するかが違えば、同じ構造でも評価は変わります。
判断に使った条件と、確認が必要な仮定を記録しておきます。

一覧の網羅を目的にしない

DFXには、どの製品にも共通する一つの万能な評価表があるわけではありません。
製品、数量、使用環境、失敗時の影響に応じて、必要な専門分野と評価の深さを決めます。

点数を付けた表だけでは、要求を満たす証拠にはなりません。
組立作業を試す、保守担当者に交換してもらう、材料の分離を確認するなど、重要な仮説を実物や工程で確かめます。
コンカレントエンジニアリングと組み合わせ、部署ごとの都合を説明し合うだけでなく、製品全体の判断へつなげます。

参考資料