個々の製品案が有望でも、同じ人や設備へ依存する案件をすべて進めることはできません。
製品開発ポートフォリオは、新製品、改良、技術の探索などの案件をまとめ、戦略と使える資源に合わせて構成を判断する対象です。
案件の一覧を作るだけでなく、何を始め、何を止め、何へ資源を使うかを決めます。

全体で不足するものを見る

たとえば、次の売上を支える改良案件だけを選ぶと、将来の市場や技術を探る仕事が残らないかもしれません。
逆に、探索ばかりを増やすと、現在の顧客へ安定して提供する能力が不足する場合があります。
目指す事業の方向、成果を得る時期、不確実さ、対象顧客などの軸で案件を並べます。
どの比率がよいかは組織の状況によって異なり、普遍的な配分を当てはめることはできません。

案件の評価と組み合わせを分ける

案件が単体で基準を満たしても、似た案件が重なれば、全体の資源配分が偏ります。
たとえば、三つの製品が同じ試験装置を同じ月に必要とするなら、すべての計画を同時には実行できません。
価値の見込みに加え、資源、依存、実施の順序を確認します。
新しい案件を追加する際は、既存案件を含めて比較し、何を後へ回すかも決めます。

不確実さに合った情報を使う

初期の案と、発売前の製品では、得られる証拠の確かさが違います。
同じ細かな収益予測だけで比べると、根拠の薄い数値が評価を左右することがあります。
戦略への適合、顧客の問題、技術の制約、次の調査へ必要な投資を合わせて検討します。
案件の段階に応じて基準を変える場合は、その理由を明示します。

定期的に資源を戻す

顧客や市場の条件が変われば、既存案件の継続も見直します。
中止や統合は、過去の仕事を無駄と評価することではなく、次の資源の使い方を選ぶ判断です。
実行する案件の流れはパイプライン管理、比較の基準はポートフォリオ基準で扱います。
プロジェクトポートフォリオは、製品開発以外の取り組みも含めて使われる概念です。

参考資料