故障モード影響解析(Failure Mode and Effects Analysis、FMEA)は、製品や工程で起こり得る不具合を洗い出し、その影響と原因、現在の対策を整理して、予防や検出の改善につなげる手法です。
設計段階で製品を検討する場合と、製造やサービス提供の工程を検討する場合があります。

故障モードとは、機能がどのように失われるかを表したものです。
原因や顧客への影響とは区別します。
この区別が曖昧だと、対策すべき対象が定まらず、「注意する」「検査を増やす」といった対応で終わりやすくなります。

原因、故障、影響をつなげる

仮に、持ち運び式の機器に充電用の端子があるとします。
端子が接触不良になることが故障モード、その結果として充電できずに現場で使えないことが影響です。
異物の侵入、部品の摩耗、組み付けのずれなどが原因の候補になります。

同じ故障モードでも、影響は使用状況によって変わります。
予備機へ交換できる環境と、遠隔地で長時間使う環境では、顧客の困り方が異なります。
部品だけを見ず、製品が担う機能と利用の状況から影響を検討します。

設計、製造、調達、保守などの担当者が参加すると、それぞれが持つ情報を照合できます。
過去の故障記録や試験結果も使い、想像だけで一覧を埋めないことが重要です。

数値は対策を考える補助にする

FMEAでは、影響の重大さ、発生の可能性、検出の難しさなどを評価します。
評価尺度や優先度の決め方は、適用する手順や業界によって異なります。
複数の点数を掛けた数値だけで、対応の要否を機械的に決めるのは適切ではありません。

重大な影響を持つ故障が、発生頻度の低さによって一覧の下位へ回る場合があります。
数値の大小と併せて、影響の内容や判断の不確実性を確認します。
発生実績がないことも、起こらない証拠にはなりません。

対策では、原因を取り除く予防と、問題が起きたときに見つける検出を区別します。
端子を保護する構造へ変えることと、出荷時に接触を検査することでは、使用中の故障への効き方が違います。

実施後も更新する

各対策には、担当者、期限、効果を確かめる方法を定めます。
対策を実施したという報告だけで終えず、試験や工程のデータを使って、想定した効果が得られたかを確認します。

新しい材料、供給元、使用条件への変更や、実際の故障の発見は、解析を更新する契機になります。
FMEAは一度作って保管する表ではなく、設計と工程について判明したことを、次の判断へ引き継ぐ記録です。

参考資料