新製品の提案を募集しても、調査する時間や試す資源がなければ、アイデアは実際の仕事になりません。
イノベーション志向の文化(Innovation-based culture)は、新しい価値を生み出すための観察、実験、協働、学習が日常の判断で支えられている組織文化です。
目新しい案の数だけでは、その状態を測れません。

実験できる条件を決める

たとえば、保守契約の新しい提供方法を試すチームに、対象顧客を絞った試行の予算を与えるとします。
どの課題を調べるか、守る品質や契約の条件、次の判断に必要な証拠を共有します。
結果が予想と違った場合も、何がわかり、どの判断を変えるかを検討します。
損失が出たことだけで担当者を一律に評価すると、課題を隠す行動を促す可能性があります。

一方、実験という名称は、無計画な実施を許す理由にはなりません。
影響の範囲を限定し、顧客への説明、必要な承認、終了する条件を整えます。
どこまで自分たちで判断できるかを明確にすれば、関係者が安心して協力できます。

評価と資源配分を合わせる

探索を求めながら短期の売上だけを評価すると、調査は後回しになります。
現在の事業を提供し続ける活動と、不確実な前提を確かめる活動に、同じ基準だけを使わないようにします。
保守契約の例なら、試行の段階では契約数に加え、誰が利用し、どの条件なら継続するかを見ます。
証拠が増えた後には、収益や提供能力も含めて投資を判断します。

個人の挑戦を組織の学びへ移す

特定のチャンピオンだけに依存すると、その人が異動した際に知識が失われることがあります。
仮説、実施条件、結果を共有し、別のチームが使える形に整えます。
管理者は提案を称賛するだけでなく、部門間の調整や、学習を反映した資源の変更を支援します。
文化の宣言と実際の意思決定が一致しているか、日々の経験を組織風土の視点から確かめることもできます。

参考資料