競合の新製品を見つけても、その情報だけでは自社が何を変えるべきかは決まりません。
競合インテリジェンスは、競争相手と市場の情報を集め、分析し、製品や事業の判断に使う活動です。
情報の蓄積より、確認したい問いと、その情報で変わる判断を定めることから始めます。

機能の比較表から問いへ進む

たとえば、法人向けの予約システムで、競合が新しい低価格プランを発表したとします。
価格をまねる前に、対象顧客、使える機能、支援の範囲、契約条件を調べます。
自社とは異なる顧客を想定しているなら、同じ価格へ下げても競争上の便益がないかもしれません。
公表価格と、顧客が実際に購入する総費用を区別します。

情報源は、公式資料、公開された説明会、製品の利用、顧客の比較経験などから選びます。
取得した日付と出所を残し、事実と解釈を分けます。
採用募集が増えた事実から新製品の発売を推定することはできますが、発売が確認された証拠とは別です。
不確かな情報を、図に載せたことで確定事項に見せないようにします。

顧客の代替手段も含める

顧客が予約を電話と表計算で済ませているなら、その方法も比較対象です。
同業他社だけを見ていると、顧客がなぜ製品を買わないかを見落とします。
何を自分で行い、何を外部へ任せるかまで調べます。
競合の機能数より、顧客が選ぶ理由へ焦点を置きます。

競合の得意な用途へ正面から合わせるか、異なる用途へ集中するかを、顧客の便益と自社の能力から選びます。
一社の発表ごとに計画を変えると、当初の戦略が失われます。
自社の仮説を変える情報と、観測を続ける情報を区別します。

収集の方法を明確にする

SCIPの倫理規範は、適法で透明な情報収集と、聞き取り時の身元の明示を重視しています。
機密情報を不正に得たり、依頼の目的を偽って聞いたりする方法は、通常の競合調査とは区別すべきものです。
外部調査会社を使う場合も、どの経路で得た情報かを確認します。

結果は、長い競合紹介ではなく、判断の選択肢と根拠にまとめます。
たとえば、価格変更、対象顧客の限定、販売資料の修正のどれを提案するかを示します。
市場全体の把握は市場調査、顧客の認識で比べる方法は知覚マッピング、位置づけの選択は製品ポジショニングにつながります。

参考資料