仕様どおりに動く製品でも、使う場面に合わなければ目的を達成できません。
設計妥当性確認(Design validation)は、設計した製品が、意図した利用者のニーズと用途を満たすかを確認する活動です。
NASAの製品妥当性確認の説明も、想定する使用環境と利用者を含めて確認することを扱っています。

仕様への適合との違い

たとえば、物流拠点の作業員が使うラベルプリンターを考えます。
「一分あたり所定の枚数を印刷できる」という仕様を満たすかは、設計検証の対象です。
作業員が手袋を着け、荷物を扱いながら、誤ったラベルを貼らずに作業を終えられるかは、用途との適合を問います。
印刷速度が合格でも、ラベル交換に長くかかれば業務全体の目標を達成できないかもしれません。

この違いを明確にするには、最初に利用者、仕事、環境、達成する結果を記述します。
次に、それぞれをどの活動で確かめるかを結びつけます。
試験、実演、分析、記録の確認など、必要な証拠に合う方法を選びます。
すべてを一度の操作テストへ押し込む必要はありません。

実際の利用条件を代表させる

ラベルの例なら、通常の印刷に加えて、紙切れ、誤印刷、通信断、交代時の引き継ぎを含めます。
本番と同じ条件を作れない部分は、何を代用し、どの差が残るかを記録します。
開発者が操作できたことだけで、経験の異なる作業員にも適すると判断しないようにします。
想定する利用者の能力と訓練も、確認の条件に含めます。

試験の終了後には、当初のニーズと得られた証拠を照合します。
満たせなかった条件は、製品の修正、利用範囲の限定、追加調査のどれで扱うかを判断します。
手順書に注意を足しただけで問題が解消したとせず、その注意を現場で守れるかも確認します。

変更後に確かめ直す範囲

仕様や対象者が変われば、過去の確認結果をそのまま使えない場合があります。
プリンターの画面だけを変えても、作業の順序や誤操作への気づきに影響するかもしれません。
変更点と利用結果のつながりを見て、再確認する範囲を選びます。
どの版と条件に対する証拠かを残せば、その判断をたどれます。

ここで述べた考え方だけで、個別業界の法令や認証への適合を示せるわけではありません。
必要な規格や要求は製品分野に応じて確認します。
現場の問題の把握は顧客現場訪問、利用環境での試験はフィールドテストを参照してください。

参考資料