シックスシグマ(Six Sigma)は、顧客にとって重要な品質を明確にし、データを使って工程のばらつきや欠陥を減らす改善アプローチです。
統計的な手法に加え、課題の選定、責任者の設定、改善後の管理までを含みます。
分析の技法を一つ導入することと、組織として改善を続けることは区別する必要があります。

品質の問題には、平均が目標からずれている場合と、ばらつきが大きい場合があります。
平均だけが適切でも、顧客の要求を外れる結果が多ければ、必要な品質を満たす工程とはいえません。

顧客が困る結果を定義する

仮に、問い合わせに翌営業日までに回答するサービスを運営するとします。
平均回答時間が短くても、一部の顧客だけが数日待たされている可能性があります。
この場合は、期限を超えた問い合わせの割合や、待ち時間の分布を調べる必要があります。

まず、何を一件と数え、どの状態を欠陥とするかを決めます。
一次回答を送れば完了なのか、解決に必要な情報を返すまでなのかで、結果は大きく変わります。
測定の定義が部署や時期で違えば、改善の前後を比較できません。

また、測定値そのものにも誤差があります。
担当者によって分類が変わる、記録時刻が実態とずれるといった問題を先に確認します。
分析の細かさを上げても、基礎となる記録が不安定では判断の信頼性は高まりません。

原因と対策を検証する

既存工程の改善では、問題の定義から管理までを進めるDMAICがよく使われます。
データと現場の観察から原因の候補を絞り、対策を試して結果を比較します。

問い合わせの難易度が高いほど回答が遅いとしても、難易度だけが原因とは限りません。
専門担当者への引き継ぎや、必要な情報の不足が影響しているかもしれません。
分類別の比較や工程の観察を使い、原因に対応する対策を選びます。

効果を見る際は、件数や顧客構成、繁忙期の違いにも注意します。
処理時間を短くする対策が、回答の正確さや従業員の負担へ与える影響も合わせて評価します。

改善の費用も判断に含める

すべての品質特性を、同じ水準まで厳しく管理する必要はありません。
顧客への影響、失敗の費用、必要な投資を踏まえて、改善する対象と目標を決めます。
測りやすい指標だけを改善しても、顧客の問題が解消するとは限りません。

新しい製品や工程を最初から設計する場合には、シックスシグマ設計という進め方があります。
どちらも、品質の目標と、その達成を示す証拠を結び付けることが基本です。

参考資料