世界初製品は、開発した企業だけでなく、市場にもそれまで存在しなかった製品を指します。
自社にとって初めての製品を意味する新製品とは、新しさを判断する範囲が異なります。
OECDのオスロマニュアルも、自社、市場、世界という新規性の範囲を区別しています。

初めての範囲を確かめる

世界初という主張には、何を製品と数え、どの用途や地域まで調べたかという条件が伴います。
新しい部品を使っただけでは、製品として世界初であるとは限りません。
別の産業で同じ役割を果たす製品が存在する可能性もあります。
調査した範囲と確認できていない範囲を記録し、宣伝上の表現と開発上の分類を分けます。

仮に、従来は人が現地で行っていた作業を、遠隔から完了できる新しい装置を考えます。
ここでは世界初と認定するのではなく、前例の乏しい製品を検討する場面の例とします。
装置が動くかに加え、誰が使い方を教え、故障時に対応し、導入を決裁するかが未確定になります。
既存市場の販売実績だけでは、こうした条件を十分に推定できません。

新しさと事業性を分けて検証する

開発では、技術の成立、顧客が得る成果、利用習慣の変化、提供体制の成立を分けて調べます。
最初から大きな市場規模を確定しようとするより、具体的な利用者と場面を絞り、実際の行動が変わるかを確かめます。
説明を聞いた反応と、導入に必要な作業や費用を受け入れることも区別します。
検証の期限と見直す条件を決め、小さな実証から得た情報で、次の投資を判断します。

世界にとって新しくても、顧客が十分な便益を得るとは限りません。
また、すべての要素技術が新しい必要もありません。
新規性は比較範囲、急進的イノベーションは変更の程度、破壊的イノベーションは競争の変化を扱う分類です。
呼び名だけで、成功の見込みや競争の結果を判断しないようにします。

関連する記事:機会、コンセプト、リスク管理。