機能分析システム技法(Function Analysis System Technique、FAST)は、製品やサービスの機能を、目的と手段の論理関係で図に整理する方法です。
部品名や作業手順から離れ、何を果たす必要があるかを検討します。
カナダ価値分析協会の解説は、「どう実現するか」と「なぜ必要か」を往復して機能を結ぶ方法を示しています。

右へ「どう」、左へ「なぜ」を問う

仮に、暖房機器について、機能の一部を「室温を保つ」「熱を供給する」「電力を熱に変える」と並べます。
室温を保つにはどうするか、熱を供給するにはどうするか、と右へたどります。
逆向きには、なぜ電力を熱に変えるか、と目的を確認します。
これは論理の一例であり、断熱などの別の実現手段まで除外するものではありません。

機能は、対象と動作の組み合わせで表します。
「ヒーターを付ける」という部品や作業の記述だけでは、ほかの手段を考えにくくなります。
米国連邦道路庁の価値工学の説明も、機能を動詞と名詞で表し、特定の解決策に絞りすぎない方法を扱っています。
日本語では、無理に英語の語順へ合わせず、「熱を供給する」のように関係が伝わる形で書きます。

図の範囲と論理を確かめる

検討を始める前に、対象に含める機能の範囲を決めます。
目的を際限なくさかのぼると、製品の設計で扱えない範囲まで広がります。
同時に必要になる機能や、ある機能に伴って生じる機能も確認します。
FASTの「同時」は、時計で測った工程の順序を表すこととは異なります。

図をレビューするときは、矢印をたどるだけでなく、各接続について「どう」と「なぜ」の両方が通るかを確かめます。
目的と手段が逆転していたり、機能が抜けていたりすれば修正します。
部品構成図や工程表とは目的が異なるため、そのまま置き換えて使わないようにします。
図ができても、選んだ方式の性能や費用が保証されるわけではありません。
必要な機能を共有し、代替案の探索と比較に進むための道具として使います。

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