会社が掲げる価値観と、実際に選ばれる行動が違うことがあります。
文化(Culture)は、集団の中で共有され、何を当然と考え、どのように行動するかを方向づける前提や価値観です。
組織を扱う場合は、組織文化と呼びます。
社員向けの標語や行事の一覧だけでは、その内容を把握できません。

見える行動から前提を探る

Scheinは、目に見える構造や行動、表明される価値観、深いところにある基本的な前提を区別しています。
たとえば「実験を推奨する」と宣言していても、予想外の結果を報告すると予算を直ちに失う組織を考えます。
担当者が成功しそうな案しか提案しないなら、宣言と、日常の選択を支える前提が食い違っている可能性があります。
一つの出来事だけで断定せず、評価、採用、会議での決定など、複数の場面を調べます。

変える行動と仕組みを対応させる

実験による学習を増やしたいなら、何を試せるか、失敗したときに何を報告するか、次の投資をどう判断するかを決めます。
結果が外れても、調査の設計や得られた証拠を検討する機会があれば、提案する側が期待を理解できます。
一方、安全や顧客の信頼を損なう行動まで、挑戦という名称で容認する必要はありません。
守る条件と、試せる範囲を分けて伝えます。

管理者自身の決定も対象になります。
調査の時間を確保すると伝えながら、常に短期案件へ人を戻すなら、日々の資源配分が宣言を打ち消します。
文化を個人の心構えだけに還元せず、評価と権限と資源の使い方まで確認します。

一つの組織にも違いがある

同じ企業でも、部門、拠点、職務によって共有する前提は異なり得ます。
経営者の説明を、そのまま全員が共有する文化だと扱わないようにします。
組織風土は日々の慣行への受け止め方、組織アイデンティティは自分たちが何者かという認識へ着目します。
関連する概念を使う際は、何を確かめたいかを先に定めます。

参考資料