同じ製品でも、何の代わりに使うものと理解されるかによって、比較される機能と価格が変わります。
製品ポジショニングは、特定の顧客に対して、代替手段と比べてどの価値を提供する製品かを定めることです。
April Dunfordの解説も、顧客が実際に選ぶ代替手段から位置づけを考えています。
短い宣伝文句を作る作業だけとは区別します。

顧客の比較対象を確かめる

たとえば、現場写真を整理するサービスを考えます。
顧客は画像保存サービスと比べるかもしれませんが、紙の報告書や、担当者が手作業で作る一覧を代わりに使っている可能性もあります。
自社が同業だと思う相手と、顧客の比較対象が一致するとは限りません。
直近の購入と見送りの経緯から、何を代替しようとしたかを調べます。

写真の保存容量が主な比較軸なら、安価な保存サービスと競争します。
点検報告を短く終えることが便益なら、現場から確認までの流れと、作業の削減を示す必要があります。
顧客へ有利な印象を与える分類を選ぶより、実際に提供できる違いへ位置づけを合わせます。

違いを便益へ対応させる

機能が独自であることと、顧客に価値があることは別です。
自動分類があるなら、何の手間や誤りを減らすかを確かめます。
その便益を強く必要とする顧客の条件を選びます。
「誰にでも便利」と広げると、説明と設計の重点がぼやける場合があります。

位置づけを決めたら、製品、価格、販売経路、支援の内容と一致するかを点検します。
報告を支援すると説明しながら、帳票の出力と確認の方法がなければ、顧客の期待に応えられません。
製品本体の外で補う条件も含めます。

意図と顧客の認識を分ける

自社が位置づけを決めても、顧客が同じように理解したとは限りません。
説明を見た対象者が、何のための製品と捉え、何と比較したかを確認します。
用語が伝わらない場合は、顧客の言葉と具体的な使用場面から見直します。
好意的な感想だけでなく、比較と購入の行動も調べます。

競争と顧客の条件は変わるため、販売後も見送りの理由と利用の実態を追います。
変更する場合は、表現だけを変えるのか、対象や提供内容を変えるのかを分けます。
便益全体は価値提案、認識の調査は知覚マッピング、変更の進め方はリポジショニングを参照してください。

参考資料