付加価値は、文脈によって計算方法や意味が変わる用語です。
製品改善では、活動や変更によって顧客にどんな価値を追加したかを指すことがあります。
一方、経済統計の付加価値には、産出額から中間投入を差し引くという定義があります。
OECDの指標が説明する後者は、企業の利益や、機能の追加数と同じものではありません。

何を追加したかを具体化する

仮に、請求書を作成するサービスへ、取引情報を自動転記する機能を加えるとします。
顧客が入力にかける時間や転記ミスを減らせるなら、利用上の価値を増やしたと考えられます。
ただし、確認の手間がかえって増えたり、料金が上がったりすれば、顧客が得る価値の全体は改善しない可能性があります。
「機能を追加した」と「価値を追加した」を分けて確かめます。

改善案を比較するときは、誰に、どんな場面で、どの成果が増えるかを書きます。
作る側にとって難しい技術であることや、多くの工数を費やしたことは、顧客にとっての価値を直接は示しません。
導入や日常利用の負担まで含めて、変更前後を比較します。

活動を評価する場合の意味

Lean Enterprise Instituteは、顧客から見た価値を生む活動と、費用だけを加える活動を区別しています。
この見方は、作業を省いたときに顧客が受け取る成果が変わるかを考えるために使えます。
ただし、現時点で品質や安全を守るために必要な確認まで、価値がないとして直ちに省けるわけではありません。
不要な確認を減らすには、確認が必要になる原因や、工程の条件を変える検討も必要です。

会議や資料では、経済統計の計算、社内の採算指標、顧客にとっての価値のどれを指すかを明記します。
金額で比較する場合は、対象期間と、差し引く費用や投入の範囲をそろえます。
同じ言葉でも定義の異なる数値を並べないことが、改善の優先順位を決める出発点になります。

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