投資の判断には節目が必要でも、その間の開発を最初の仕様どおりに進めるだけでは、学んだ結果を反映しにくい場合があります。
アジャイル・ステージゲート(Agile–Stage-Gate)は、Stage-Gateの段階と投資判断に、短い反復による開発とフィードバックを組み合わせる考え方です。
二つの会議体系をそのまま重ねればよいという方法ではありません。

判断する時間の単位を分ける

たとえば、新しい家電製品を開発する場合、量産設備への投資には、顧客の需要と技術条件の確認が必要です。
その判断までの期間には、操作部分の模型や動く試作品を短い周期で作り、顧客の反応から設計を変えます。
ゲートでは、試作の回数だけでなく、次の投資を支える証拠が得られたかを確認します。
反復の中での作業の選択と、大きな資源を使う判断を分けて扱います。

チームが変えられる範囲

当初の仕様を一切変えられなければ、反復を追加しても学習は設計へ戻りません。
目指す価値、守る品質、使える予算を共有し、その範囲でチームが案を変えられるようにします。
量産の前提や事業の方向まで変わる場合は、上位の投資判断へ相談します。
何をチームで決め、何を再承認するかを先にそろえます。

家電の例では、操作方法は試作で比較できても、長納期の部品や金型の変更には別の制約があります。
調達を始める時点と、設計を変更できる範囲を合わせて検討します。
ソフトウェアと同じ周期で、すべての物理的な変更ができるとは限りません。

導入時に整理する負担

既存の資料と反復ごとの記録が重複するなら、どの情報をどの判断へ使うかを確認します。
毎回すべてのゲート資料を作り直すと、短い学習の周期を妨げる可能性があります。
完成した成果、仮説の変化、残るリスクを共通に参照し、節目では追加投資の妥当性を決めます。
基本となるステージゲート・プロセスと、アジャイル製品開発の目的を区別して設計します。

参考資料