便益は、製品を使った結果として顧客が得る好ましい変化です。
機能が製品の働きを表すのに対し、便益は、その働きが顧客の仕事や生活にどう役立つかを表します。
Strategyzerのバリュープロポジションキャンバスも、製品やサービスの一覧と、顧客の困りごとを減らす働きや望ましい成果を分けて整理します。

仕様から利用後の変化へ

仮の例として、配送予定を自動で知らせるサービスを考えます。
「到着予定時刻を通知する」は機能の説明です。
受取人にとっては外出の予定を立てやすいこと、配送会社にとっては問い合わせへの対応を減らせることが便益になります。
同じ機能でも、誰がどの場面で使うかによって便益は変わります。

説明を具体化するときは、機能、顧客の行動の変化、得られる成果を順につなげます。
通知が届くだけでは、予定を立てられるとは限りません。
時刻が十分に正確か、変更が間に合うか、受取人が通知に気づくかという条件も必要です。
便益を約束する文は、その条件まで含めて検証する仮説になります。

誰の成果を確かめるか

開発前には、顧客がいま使う代替手段と比べます。
新しい機能を欲しいと言うかだけでなく、現在の手間がどこで生じ、何が変われば助かるかを調べます。
利用後には、問い合わせ件数、予定変更のしやすさ、受け取りの成功など、便益に対応する変化を確かめます。
機能の利用回数だけでは、顧客が成果を得たかまでは分かりません。
通知を見ても予定を変えられなかった理由を聞くと、残る条件を確認できます。

便益があっても、購入や継続利用が決まるとは限りません。
料金、設定の手間、情報を預ける不安などが、得られる成果を上回る場合があります。
また、購入者と利用者が違えば、評価する便益も異なります。
便益を明確にしてから、それを得るための負担も合わせて検討すると、価値と価値提案の説明につながります。

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