期限を早めたいとき、その要求を日程の変更だけとして扱うと、ほかの条件への影響を見落とします。
三重制約(Triple constraint)は、プロジェクトの範囲、時間、コストの関係を表す考え方です。
どれかを変える際に、ほかの条件や品質へどう影響するかを話し合うために使います。

変更の選択肢を見えるようにする

たとえば、予定より一か月早く製品を公開したいとします。
同じ範囲を維持して作業を増やす、一部の機能を後へ回す、公開する対象を限定するなど、複数の方法があります。
人員を増やす案にも、説明や確認へ必要な時間が加わるため、費用が増えれば必ず短くなるとは限りません。
どの条件を守り、どこを調整できるかを確認します。

品質を黙って調整しない

範囲を減らすことと、完成と呼ぶ品質を下げることは違います。
公開機能を絞っても、対象の機能に必要な安全性や正確さの確認は残ります。
例の公開日を守るため、未検証の状態を完了扱いにするなら、利用者へ負担を移してしまう可能性があります。
必要な品質条件を示したうえで、実行できる範囲を選びます。

三つの数値で全体は説明できない

このモデルは、プロジェクトのすべての条件を表すものではありません。
リスク、資源の制約、関係者の期待、得たい便益も判断へ影響します。
予算と期限内に完成しても、顧客が使わなければ、当初の事業上の目的は得られないかもしれません。
成果物の完成と、その後の効果を分けて確かめます。

判断として残す

変更する際は、要求の理由、比較した案、各条件への影響、決定者を記録します。
期限と予算を固定するなら、どの範囲を優先し、何を対象外にするかを合意します。
一つの条件を厳しくしただけで、他の前提も自動的に満たせるとは考えないようにします。
プロジェクト計画へ合意を反映し、プロジェクト資源見積もりやリリース計画を更新します。

参考資料