リサイクル性設計(Design for Recycling、DFR)は、使用を終えた製品から材料を回収し、再び利用できるように、材料、構造、接合、表示などを設計するアプローチです。
再生材料を使うことと、使用後にリサイクルしやすいことは別の観点です。
前者は材料の由来を、後者は製品を使い終えた後の処理を扱います。

材料が技術的に再生可能でも、実際の回収や分別、再処理の仕組みに適合しなければ、回収されない可能性があります。
対象とする地域や回収経路まで含めて検討します。

分離と材料の相性を考える

仮に、樹脂の筐体に金属部品や装飾材を組み合わせた製品を設計するとします。
材料を分けて回収する必要があるなら、接着や一体化の方法によって、分離にかかる作業が大きく変わります。

部品の取り外し、材料の識別、混ざったときの影響、回収する量などを調べます。
異なる材料を減らす、回収対象の部品を取り出しやすくする、材料の情報を適切に示すといった案が考えられます。
ただし、手作業で分解する工程と、破砕して機械的に選別する工程では、有効な設計が異なる場合があります。

材料名の表示だけで、すべての処理が可能になるわけではありません。
想定する回収事業者や処理工程に照らして、その情報が実際に使えるかを確認します。

製品全体の要求と調整する

分離しやすくする変更が、耐久性や防水性、安全性へ影響することがあります。
また、組立性設計で採用した外れにくい接合が、分解を難しくする場合もあります。
必要な機能を満たす範囲で、接合方法や交換単位を比較します。

使用後の回収だけを良くしても、材料の製造や使用中のエネルギーが増えれば、環境負荷全体が下がるとは限りません。
EPAのライフサイクル設計の手引きも、一つの環境特性だけを改善すると、負荷を別の段階へ移すおそれがあると説明しています。

修理して長く使う、部品を再使用する、製品を回収して再整備するなどの選択肢も合わせて検討します。
材料へ戻すことだけを、あらゆる製品の最優先の目標にはしません。

回収の実態で評価する

設計案の比較では、分解に必要な時間、分離できる材料、回収後の品質、処理の費用などを確認します。
想定した回収率と実績を区別し、試作や処理事業者との検討で根拠を増やします。

環境上の利点を説明するときも、どの材料を、どの経路で、どの条件なら回収できるかを明確にします。
環境配慮設計の中で、製品の一生を通じた評価へつなぐことが重要です。

参考資料