目標とする新製品の売上を、開発案件の件数へそのまま置き換えることはできません。
発売時期、販売の伸び方、中止する案件があることによって、実現する売上は変わるためです。
ポートフォリオ展開シナリオは、一定期間の事業目標に対し、どの規模の製品を何件、いつ投入する必要があるかを仮定して描くものです。
PDMAの用語集も、投入する製品の数と規模を財務上の目標に結びつける仮の見通しとして扱っています。

発売後の時間を含める

仮に、三年後に新製品群から一定の売上を得たい会社を考えます。
二年目の初めに発売する製品と、三年目の終わりに発売する製品では、目標期間内に販売できる時間が異なります。
各製品の投入時期、初期顧客の獲得、販売先が広がる期間、既存品から移る売上を分けて置きます。
どの数字が実績で、どれがまだ仮定かも示します。

一つの大規模製品に依存する案と、複数の小規模製品を順次出す案では、失敗時の影響が変わります。
ただし、製品数を増やせば安全になるとは限りません。
同じ技術、取引先、顧客予算に依存していれば、複数案が同時に遅れる可能性があります。
案件間に共通する条件を明示して、見かけの分散と区別します。

三つの見通しを比べる

標準的な進展、主要案件の遅延、想定より速い採用など、前提の違う複数のシナリオを作れます。
遅延の例なら、売上の時期だけでなく、開発者が次の案件に移れない影響と、販売準備のやり直しも含めます。
目標を達成できないなら、無根拠に成長率を上げず、対象市場や投資規模を見直す材料にします。

成功率を使う場合も、案件ごとに独立して同じ確率で成功すると決めつけないようにします。
自社の過去案件で、何を成功と呼び、どの段階の案件を数えたかを確認します。
検証前のアイデアと、販売準備が整った製品を同じ母数にすると、比較がずれます。
根拠が不足する率は、確定値に見せず幅を持つ仮定として扱います。

売上計画を現場の配分へ戻す

有望なシナリオでも、必要な設計、試験、販売支援の能力を確保できなければ実行できません。
投入時期から逆算し、先に着手すべき基盤や採用を特定します。
実績が出たら前提との差を確かめ、次の製品の開始時期と規模を更新します。

日程の詳細化はプロダクトロードマップ、案件群の資源配分はポートフォリオ管理へつなげます。

参考資料