消費者が指定した商品名だけでは、その商品に頼る理由がわからないことがあります。
消費者ニーズは、個人や家庭が生活の中で解決したい問題、満たしたい条件、達成したい目的です。
欲しいと表現した機能や商品と、その背景の目的を分けて理解します。
PDMAの用語集も、消費者が解決したい問題として扱っています。

生活の場面を聞く

たとえば、「もっと小さな掃除機が欲しい」という要望を考えます。
収納場所がない、階段へ運べない、食後の小さな汚れだけを片づけたいなど、異なる事情があり得ます。
直近に掃除した場面を聞き、何を運び、どこにしまい、何を負担に感じたかを調べます。
小さくすることだけを目標にすると、吸引力やごみ捨ての負担を悪化させるかもしれません。

観察と聞き取りから、誰が、いつ、どこで、何を終えたいかを記述します。
家族の別の人が掃除と購入を担っている場合は、両者の条件を分けます。
購入する人が軽さを望んでも、使う人は持ち手の形を重視するかもしれません。
一人の発言を家庭全体のニーズとしてまとめないようにします。

重要度を具体的な負担で確かめる

「便利そう」という反応だけでなく、問題が起きる頻度と影響を調べます。
現在使っている道具、かけている時間、諦めている作業が材料になります。
ただし、費やした時間の多さだけで購入の意思は決まりません。
別のことへ予算を使いたい、買い替える余地がないなどの条件もあります。

掃除の例なら、収納だけが問題であれば、製品の小型化に加えて収納方法を変える支援も候補になります。
一方、狭い家具の下に入らないなら、保管時の大きさを減らしても目的を達成できません。
ニーズを抽象化したあとも、元の場面へ戻って解決策を評価します。

言われていないことを決めつけない

消費者が説明できない負担はありますが、開発側の案を「潜在ニーズ」と呼ぶだけでは根拠になりません。
観察した行動、本人の説明、調査者の仮説を分けます。
試作品で実際に作業が変わるかを確かめ、違えば仮説を更新します。

個人向けの製品では、家族の予定、利用する空間、生活習慣が結果へ影響します。
調査室だけの評価と、家庭での使用を区別します。
機能要望の扱いは顧客ニーズ、明示されない負担は明言されていない顧客ニーズ、対価との関係は支払意思額を参照してください。

参考資料