将来の入金が投資額を上回っていても、その時期が遅ければ、同じ金額として比較できません。
正味現在価値(NPV)は、対象とする現金の流入と流出を現在価値へそろえ、その差を求めた値です。
OpenStaxの説明は、この共通時点への換算を使って投資を比較しています。

収支を時点ごとに換算する

仮に、現在100万円を支払い、一年後と二年後にそれぞれ60万円の純収入を得るとします。
説明用に年10%の割引率を置くと、NPVは次の計算になります。

60÷1.1 + 60÷1.1² − 100 ≒ 4.13万円

この条件では、要求した換算率に対して、現在価値で約4.13万円の余剰があると説明できます。
率は例の仮定であり、現実の案件に適切な値を示すものではありません。
NPVのプラスは、実際にその金額を得られる保証とも異なります。

何を収支へ含めるか

製品開発では、初期費用だけでなく、追加開発、設備、販売、保守、終了の収支が関係する場合があります。
投資をしない場合との差額を考え、判断によって変わらない費用を二重に含めないようにします。
既存製品から売上が移るなら、全額を新しい純収入とは扱えません。
予測に含む範囲、税や物価、通貨の扱いを、割引率とそろえます。

入金より前に仕入れや人件費の支払いが必要なら、途中で資金が不足しないかも確認します。
全期間のNPVがプラスでも、必要な時期に支払えるとは限りません。
価値の総額と、資金繰りの条件を分けて記述します。

不確実な前提を残す

利用者数や価格が不明な案件では、一つの予測だけで比較しないようにします。
販売の遅れ、費用の増加、需要の違いによってNPVがどれほど変わるかを調べます。
重要な前提を小さな試行で確かめられるなら、全面投資の前に調査する選択もあります。

複数案件の資源配分では、NPVに加えて、人員、時期、相互の依存を確認します。
計算へ入れていない便益や負担も、存在しないものとして扱いません。
採用した前提と残る不確実性を示し、提供後の実績と比較して次の判断へ反映します。

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