投資の収支を一つの率で表したいとき、将来の収支と初期投資が等しくなる割引率を求める方法があります。
内部収益率(IRR)は、対象とした現金収支のNPVがゼロになる割引率です。
OpenStaxの解説は、率を仮定して価値を求めるNPVとは逆に、率を求める計算として示しています。

単純な二年間の例

仮に、現在100万円を支払い、二年後に121万円を受け取り、その間に収支がないとします。
年10%で割り引くと、121万円÷1.1²が100万円になるため、この収支のIRRは年10%です。
二年間の増加額が21%だからといって、年21%とは扱いません。
各収支の発生時点と、率の期間をそろえて計算します。

実際の案件では、開発、設備、入金、運用、終了の費用を時系列へ置きます。
売上だけを入金として使わず、関連する支出や支払時期を含めます。
年単位と月単位の値を混ぜないようにし、計算に含めた範囲を記します。

率だけで順位を決めない

IRRが高くても、投資規模が小さければ、生む価値の総額は小さい場合があります。
期間が異なる案件でも、率だけでは同じ資源配分の問いに答えられません。
NPV、必要資金、実施できる件数を合わせて確認します。
基準の収益率との比較にも、対象収支と基準の整合が必要です。

また、途中や終了時に大きな支出があり、収支の符号が繰り返し変わると、IRRが複数になる場合があります。
複数IRRを扱う研究も、この問題を計算例で示しています。
表計算が一つの率を返しただけで、唯一の解と判断しないようにします。
このような場合は、複数の割引率でNPVを確認し、収支の形に合わせて評価します。

IRRは、予測した収支から計算した結果です。
将来の受取額が保証された利回りではありません。
顧客数、価格、費用、時期の前提を変え、どの条件で判断が変わるかを示します。
計算式の正しさと、予測の根拠を別々に確認して、数値だけが確かな印象を与えることを避けます。

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