影響の大きいリスクには、対策を足して活動を続ける以外に、その活動を実施しない選択があります。
リスク回避は、原因となる活動を始めない、やめる、範囲を変更するなどによって、特定のリスクへの関与を避ける対応です。
米国エネルギー省の用語集も、計画や目的を変更する対応として説明しています。

何を避けるかを明示する

仮の例として、業務用機器へ遠隔操作機能を追加する案を考えます。
現在の利用環境では認証や操作権限を適切に確認できず、遠隔操作を提供対象から外すなら、その経路のリスクを避ける判断になります。
代わりに状態の閲覧だけを提供する場合には、残る情報の扱いや接続のリスクを別に調べます。
一つの機能を削ったことから、製品全体のリスクがなくなったと結論づけないようにします。

判断では、避けるリスクと、失う便益を並べます。
遠隔操作を望む顧客が購入しなくなる、現場へ人が行く負担が残る、といった影響もあります。
変更後の作業へ別のリスクを移していないかを確認します。
回避を常に最善の方法とせず、軽減や提供範囲の限定と比較します。

限定と中止の使い分け

利用者、地域、機能を限定すれば、特定の条件を避けながら価値を提供できる場合があります。
ただし、顧客が制限を理解し、実際に守れることが条件です。
説明書に書くだけで回避できると扱わず、製品の設計や契約上の範囲ともそろえます。
制約が実行できないなら、活動自体を中止する判断も必要になります。

回避した理由が技術不足なら、必要な能力が得られたときの再検討条件を残します。
戦略に合わないためなら、技術的に不可能と記録しないようにします。
理由を分けることで、別の案件や将来の判断に誤った前提を引き継ぐことを防げます。

実施済みの活動を止める場合には、既存顧客や運用への移行が必要です。
終了までの期間に残るリスクも確認し、停止の責任者と完了の条件を決めます。
計画から削除した時点と、実際にリスクの経路をなくした時点を分けて管理します。
その結果を関係者へ共有して、現場が従来どおり使い続ける状態を避けます。

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