ストーリーボード(Storyboarding)は、利用者が目的を達成するまでの場面や行動を、連続した絵と短い説明で表す方法です。
製品や画面だけでなく、利用のきっかけ、周囲の状況、その後の結果を含めて、体験の流れを共有します。

画面の遷移だけでは、利用者がなぜ操作を始めるのか、途中で何が起こるのかが見えない場合があります。
ストーリーボードでは、製品を使う前後も描くことで、必要な支援や見落とした条件を検討できます。

利用者の目的から場面をつなぐ

仮に、通勤中に荷物の受取場所を変更するサービスを考えるとします。
配達予定の通知に気付く、受け取れないことを知る、変更できる場所を探す、指定を完了する、といった場面を描きます。

各場面には、利用者の行動に加え、どこにいて、何を確認し、何が妨げになるかを示します。
電車内で通信が不安定、荷物を持って片手しか使えないなど、状況によって必要な設計は変わります。
製品の機能を順番に紹介するだけの図にしないことが重要です。

観察した事実と提案を区別する

実際の調査を表す場合は、観察や発言に基づく場面と、調査者の解釈を分けます。
本人が説明していない気持ちを、確定した感情として書き込まないようにします。

新しい体験を提案する場合は、仮の場面であることを示します。
もっともらしい物語を描けても、そのとおりに利用される証拠にはなりません。
どの行動や要求が調査で確認され、どの部分が仮説なのかを共有します。

絵の上手さより、場面の関係が伝わることが大切です。
簡単な人物、写真、短い注記などを使い、議論に不要な細部は省けます。

途中で止まる場面を探す

共有するときは、順調に進む一つの筋書きだけでなく、変更できる場所がない、期限を過ぎている、確認の通知が届かないといった場面も検討します。
利用者が次に何を判断できるか、どこで別の手段へ移るかを考えます。

ストーリーボードから画面の構成へ進むなら、ワイヤーフレームやプロトタイプで操作を具体化します。
体験全体の課題や接点を整理するジャーニーマップとは、目的と詳しさに応じて使い分けます。

最終的には、物語への賛同と、実際の利用で目的を達成できることを分けて確認します。
場面を描く作業は、検証すべき仮説を見つけるためにも役立ちます。

参考資料