新しい調査を始める前に、すでに集められた情報で答えられる問いがあります。
二次市場調査は、公的統計、既存の調査、業界資料、社内記録などを、現在の判断のために調べ直す活動です。
自分で新しく収集する一次調査とは、情報が作られた目的と条件が異なります。
米国中小企業庁のガイドも、既存資料と直接の調査を分けて使っています。

判断に合う資料を探す

たとえば、地方の食品店へ在庫支援サービスを販売する計画を考えます。
店舗数と地域の分布は公的統計、現在の取引先は社内記録、競合の料金は公開資料から調べられます。
まず、どの地域へ営業するかという判断に必要な情報を並べます。
関係しそうな資料を大量に保存するだけでは、比較の条件がそろいません。

資料ごとに、発行者、調査年、地域、対象者、集計単位を記録します。
企業数と店舗数、年間売上と月間支出など、似た名前でも意味が違う数字があります。
元データへたどれる資料を優先し、引用された数値だけで判断しないようにします。
割合を使うなら、分母と対象期間も確認します。

目的の違いから限界を読む

食品店の統計に小規模な専門店が含まれていても、自社サービスを使える店舗の条件とは一致しないかもしれません。
社内の販売記録も、自社がこれまで営業した地域や顧客に偏っています。
自社顧客の平均支出を、未開拓地域の全店舗へ直接当てはめないようにします。
既存情報で確認できることと、推測することを分けます。

また、古い資料の数字を現在の価格や店舗構成に置き換える必要がある場合があります。
更新方法が不明なら、細かな数値へ見かけの精度を付けるより、使える範囲を限定します。
複数資料が違う場合は、平均して消す前に、定義と調査時点の違いを調べます。

一次調査へ問いを渡す

既存資料で店舗の分布はわかっても、在庫の何に困り、誰が購入を決めるかまではわからない場合があります。
そこで、統計から選んだ条件の店舗へ聞き取りを行います。
公開資料で答えられることを繰り返し聞かず、未確認の仕事と判断に時間を使えます。

調査結果には、資料から得た事実、そこから置いた仮定、追加で確かめる問いを併記します。
「市場規模が大きい」という結論だけでは、次の行動が決まりません。
対象地域を絞る、募集する店舗の条件を決める、料金の仮説を置くなど、具体的な判断へ戻します。
新しい情報を得る一次市場調査、全体の組み立ては市場調査を参照してください。

参考資料