全体から同じように対象を選ぶと、人数の少ない顧客層の結果を十分に調べられない場合があります。
層化抽出は、母集団を重ならない層へ分け、それぞれの層から標本を選ぶ方法です。
地域、企業規模、契約形態など、抽出の前にわかる情報を使います。
カナダ統計局の品質ガイドは、層ごとの標本数と配分を調査設計の要素として扱っています。

小さな顧客層を確保する

たとえば、全国の契約企業を調べ、大企業と小企業で導入支援への評価を比べたいとします。
単純に企業を選ぶと、数の少ない大企業の回答が不足するかもしれません。
企業規模で層を作り、各層で必要な比較ができる標本数を置きます。
層の境界と、どの企業がどこへ入るかを抽出前に決めます。

層は、調べたい結果との関係が見込まれる属性から選びます。
多くの属性を細かく組み合わせると、各層が小さくなり、募集と集計が複雑になります。
分析の目的と、利用できる一覧の情報に合わせて設計します。
全員について知らない属性を、抽出前の層として使うことはできません。

抽出率と全体の推定

各層から母集団の構成比に応じて選ぶ方法も、小さい層を多めに選ぶ方法もあります。
後者では、標本内の割合が母集団の割合と異なります。
全体の平均や割合を出すときは、層の大きさと選択確率などに応じて重みを扱います。
大企業と小企業を同数集めたからと、両者の結果を半分ずつ平均して全企業の評価としないようにします。

層ごとの回答しない傾向も確認します。
依頼した企業が無作為でも、回答した企業の構成は変わる場合があります。
選択確率、回答数、除外と調整の方法を残し、推定の精度も設計に合わせて計算します。

割当法と区別する

年齢や企業規模の人数枠を決めても、その中を担当者の都合で選べば、層化された無作為抽出とは異なります。
見かけの構成をそろえたことと、選ばれる確率が設計されていることを区別します。
また、クラスターサンプリングは、一部の集団を選ぶ方法であり、各層から選ぶ層化抽出と同じではありません。

報告には、層の定義、抽出方法、層ごとの母集団数と回答数、重みの扱いを示します。
基礎は無作為標本、集団を選ぶ方法はクラスターサンプリング、数値の利用は定量市場調査を参照してください。

参考資料