同じ金額でも、現在支払う金額と数年後に受け取る金額を、そのまま足して比較することはできません。
割引キャッシュフロー分析(DCF)は、将来の現金の収支を共通の時点の価値へ換算して評価する方法です。
OpenStaxの投資評価の解説は、異なる時点の収支を現在価値へそろえる計算を示しています。

時期と金額をそろえる

一年後の収支をCF、年の割引率をrとすると、現在価値はCF÷(1+r)です。
二年後ならCF÷(1+r)²となり、各期間の収支をそれぞれ換算して合計します。
仮に、年10%という説明用の率で、一年後の110万円を換算すると100万円です。
この率は計算例の仮定であり、すべての案件に適切な率を示すものではありません。

開発案件では、初期投資、追加の設備、入金、提供費用、終了時の費用を時系列に置きます。
売上や会計上の利益だけを、そのまま現金の収支と混同しないようにします。
入金時期、在庫、売掛金などが判断に関係するなら、その変化も含めます。
どの税や資金調達の要素を含めたかも、評価の目的と整合させます。

前提が結果を変える

売上が伸びる時期を一年早めるだけでも、評価は変わります。
そのため、表計算の式を確認することと、販売件数や費用の前提を確認することの両方が必要です。
顧客の購入や供給量に根拠がないまま、最終の値だけ精密に表示しないようにします。
販売量、価格、導入時期、費用を変え、どの条件が結果を左右するかを調べます。

割引率は、評価する収支の性質やリスク、通貨、物価の扱いとそろえる必要があります。
説明できない率を、採用したい結果になるよう調整すると比較ができません。
率の根拠と、異なる率にした場合の結果を残します。

DCFは換算の方法であり、将来の収支を予言するものではありません。
現在価値から投資の支出も差し引くとNPVの評価へつながります。
段階的な投資や中止の選択がある場合には、いつどの情報で判断するかも別に記述すると、固定した一つの計画だけで評価する限界を補えます。

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