個々の製品で顧客に選ばれる方法に加えて、会社全体としてどの事業を持ち、資源をどう分けるかを決める必要があります。
企業戦略は、事業領域、事業間の関係、全社として保持する能力や投資の方向を定める考え方です。
BCGの成長シェアマトリクスは、その中で複数事業への資源配分を整理する道具の一つです。

製品の戦い方と全社の選択

仮の例として、計測機器と保守サービスを持つ会社を考えます。
機器を高精度で差別化する方法は、特定の事業での競争に関係します。
保守事業へ投資し、機器と共通の顧客情報や技術者を持つかは、全社の構成に関係します。
「すべての事業を成長させる」とだけ示しても、限られた資源の配分は決まりません。

共通化の便益には、実現する仕組みを示します。
同じ顧客へ販売できるとしても、購買担当者や契約周期が違えば、営業を共通化できない場合があります。
技術者を共有すれば費用が下がる一方、緊急の保守と新製品開発が同じ人員を取り合うかもしれません。
事業を束ねる便益と、調整に必要な費用を比較します。

配分と見直しの基準

投資先の比較では、現在の利益に加えて、将来の需要、必要な能力、資金を得るまでの期間を確認します。
短期の利益だけなら、新しい事業は常に不利になり得ます。
一方、「将来性がある」という言葉だけでは、実績のない案件へ投資を続ける理由になりません。
次の投資で何を確かめ、どの条件で拡大や縮小を判断するかを決めます。

また、事業を持つことと、その活動をすべて自社で行うことは別です。
提携、調達、ライセンスなどを使う場合には、どの能力を社内に残すかを示します。
相手への依存と、事業間で共有する資源の制約も、全社で把握する必要があります。

戦略の資料は、組織図や売上目標だけで完了しません。
投資する領域、広げない領域、共通化する能力、各事業へ委ねる判断を明記します。
外部条件が変わった際には、個々の目標値だけでなく、事業を組み合わせる前提も見直します。
その理由が共有されると、製品ごとの計画でも全社の配分を踏まえた選択ができます。

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