製品の購入を承認する人と、毎日その製品に触れる人では、知っている問題が異なります。
ユーザー(User)は、目的を達成するために製品やサービスを使う人です。
PDMAの用語集でも、購入するかどうかとは分けて説明されています。
無料の利用者、購入者から渡された製品を使う人、組織内の担当者も対象になります。

利用する役割を分ける

たとえば、倉庫の作業管理サービスには、荷物を読む担当者、作業を割り当てる管理者、設定と保守を行う担当者がいます。
同じ会社のユーザーでも、目的、利用時間、操作できる権限は異なります。
「ユーザーは一覧が欲しい」という記録では、誰の判断を支える情報かがわかりません。
役割と作業の場面まで具体的にします。

一人が複数の役割を兼ねる場合もあります。
小さな倉庫では現場と管理を同じ人が担い、大きな倉庫では分かれるかもしれません。
利用する画面の数だけで人物像を分けず、実際の仕事と責任から理解します。

普段の仕事と利用環境

ユーザーを調べるときは、製品内の操作だけでなく、その前後の仕事を見ます。
端末を持てるか、手袋を使うか、通信があるか、他の人から何を受け取るかが操作の条件になります。
知識、経験、身体条件、支援を得られるかも確認します。
年齢や職名だけから、使えるはずだと決めないようにします。

倉庫の例で、現場担当者が紙へ書いてから入力しているなら、二重作業を嫌がっているとは限りません。
端末が固定されている、紙を荷物に付ける必要があるなどの理由が考えられます。
行動を観察し、本人に具体的な場面を聞いて仮説を確かめます。

ログと実際の人

システム上のアカウント数は、必ずしも利用する人の数と一致しません。
共有端末や複数アカウントがある場合、ログイン数をそのまま人数として扱うとずれます。
分析する単位を定め、個人、役割、組織、端末を区別します。
使わなくなった人が何も報告しない可能性も考慮します。

改善の評価では、操作回数の増加だけでなく、必要な仕事を終えられたかを確認します。
購入と契約の条件を知るには、使う人以外の役割も調べます。

購入に関わる役割は顧客、目的の記述は顧客ニーズ、代表的な像の整理はペルソナを参照してください。

参考資料