既存の技術と販売の仕組みを使っても、顧客の問題を解き、事業を伸ばす製品を開発できます。
ルーチンイノベーションは、既存の技術能力と事業モデルを生かす取り組みです。
この用法はGary Pisanoの分類に基づきます。

既知の範囲で何を変えるか

仮の例として、業務用プリンターのメーカーが、同じ印刷方式と販売経路で、用紙交換を容易にしたモデルを作るとします。
新しい物理原理や契約方式は必要なくても、顧客の作業を調べ、部品の配置や制御を変更する仕事は残ります。
ルーチンという名称から、決められた手順を実行するだけの仕事と判断しないようにします。
性能や品質をどの条件で改善するかには、設計上の選択が必要です。

既存の知識を使える範囲が広ければ、実績を見積りや試験に生かせます。
ただし、新たな用途や顧客に広げるなら、既知の技術でも利用条件は異なる可能性があります。
プリンターの例で、交換しやすさが向上しても、用紙詰まりや保守負担が増えていないかを確認します。

事業内での位置づけ

既存製品の改善は、顧客の継続利用や収益を支える候補になります。
新規性が大きい案件だけを評価すると、現在の顧客が必要とする改善へ資源が回らない可能性があります。
一方、既存方式の案件だけを選ぶと、新しい技術や提供方法を学ぶ機会が不足します。
短期の結果と、将来の能力獲得を分けて配分を考えます。

この分類と、漸進的改善は同一ではありません。
技術と事業モデルを維持することは、一回の変更が小さいことまで意味しないためです。
また、分類を比べるときは、どの組織の既存能力を基準にしたかを明記します。
別の会社にとっては新しい能力が必要でも、自社には再利用できる能力がある場合があります。

企画の評価では、分類名に加えて、対象の顧客課題、再利用する能力、追加で必要な設計、期待する結果を示します。
発売後は既存モデルとの置き換えも含めて、顧客と事業にどんな変化が生じたかを確かめます。
名称を予算配分の自動的な基準にせず、実際の学習と提供に必要な資源を見積もります。

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