顧客の要望を集めても、設計で何を満たせばよいかがそろわなければ、案を比較できません。
製品設計仕様(Product Design Specifications、PDS)は、製品の設計と確認に必要な条件をまとめた情報です。
性能だけでなく、使う環境、大きさ、扱いやすさ、費用、保守、品質など、製品を成立させる条件を含めて考えます。

利用場面から条件を選ぶ

たとえば、保守担当者が持ち歩く読取端末を開発するとします。
読み取りの性能に加え、持つ時間、手袋の使用、屋外の照明、落下や水への対応、充電の機会を調べます。
「軽い」「丈夫」といった語だけでは比較できないため、必要な値と、確かめる条件を具体化します。
値が未確定なら、仮の範囲と、判断に必要な調査を残します。

条件の衝突を扱う

容量の大きい電池を使うと、利用時間を伸ばせても、重さや内部の空間へ影響します。
すべてを最大にするのではなく、顧客の使い方と事業の条件から優先度を決めます。
必ず守る条件と、案を比較する軸を分け、変更する判断者も示します。
要求の背景を残すと、別の方法で便益を満たせるかを検討できます。

確認方法を合わせる

各条件に、試験、解析、実物の確認などの方法を対応させます。
読取端末なら、平均的な環境だけでなく、必要な使用範囲の中で確認します。
製作後に初めて測り方を考えると、必要な設備や試料が不足する場合があります。
条件を決める段階から、関係する専門家と検討します。

文書名で境界を固定しない

PDSには要求中心の使い方と、図面や設計の詳細まで含む使い方があります。
文書の名称だけで同じ範囲を指すと考えず、仕様と設計仕様へ何を置くかをそろえます。
目的と対象は製品定義へつなぎ、条件を変える場合は、理由と影響、関連する成果の版を更新します。
仕様が詳しいことだけで、顧客の需要や実際の使いやすさが確認されたことにはなりません。

参考資料