部門ごとの判断を待つ開発では、製品全体に必要な変更を進めにくいことがあります。
重量級チーム(Heavyweight team)は、部門を横断する強い調整力と権限を持つリーダーを中心に、製品開発を進める組織形態です。
名称の重さは、人数や作業量の多さを指すものではありません。

製品全体を見て調整する

たとえば、新しい業務用機器で、設計変更によって製造と保守の手順も変える必要があるとします。
各部門が自分の費用だけを最小にすると、他部門へ負担を移す案が選ばれかねません。
重量級のリーダーは、顧客価値、開発期間、総費用を見て、部門間の調整を進めます。
そのためには、会議を開く役割に加えて、資源や優先順位に実際に働きかけられる権限が必要です。

編成時にそろえる条件

チームを作る際には、対象とする製品、リーダーが決められる事項、部門長が持つ権限を明確にします。
専門人材の配置、評価、予算の変更を誰が承認するかも確認します。
例の機器なら、製造担当者が開発会議へ参加できても、改善作業の時間が確保されなければ、横断的な判断を実行できません。
専任か兼任かだけでなく、計画した作業へどれだけ資源を使えるかを見ます。

部門の専門知識との接続も保ちます。
製品の都合だけで技術標準を外すと、保守や次の開発で別の負担が生じます。
どの条件を共通にし、どの変更を製品側で決めるかを話し合います。

自律型や軽量級との比較

軽量級チームは、資源を持つ機能部門への依存が大きく、リーダーの調整権限も比較的限られます。
重量級はその横断的な権限を強めますが、必ずしも既存部門から完全に独立するわけではありません。
自律型チームとの境界は、採る組織モデルによって異なるため、名称より実際の権限と資源配分を確認します。
すべての案件へ同じ形を適用せず、変更範囲、部門間の依存、必要な意思決定の速さから選びます。

参考資料