機能性設計(Design for Functionality)は、製品が果たすべき機能を明確にし、その機能を必要な性能で実現するように構造や仕組みを設計する考え方です。
機能を多く盛り込むことが、そのまま機能性の向上になるわけではありません。
利用者の目的を達成するために何が必要かを定め、その働きが成立する条件を検討します。

機能と実現手段を分ける

仮に、屋外の設備を監視する製品を作るとします。
「温度センサーを付ける」は実現手段の記述です。
「異常な発熱を検出し、管理者へ知らせる」と表せば、検出、判定、通信、通知といった機能へ分解できます。

こうして分解すると、センサーの精度だけが良くても目的を達成できないことが分かります。
通信が途切れる、通知に気付けない、誤警報が多くて無視されるといった問題も検討の対象になります。
製品全体の働きを、部品やソフトウェア、利用者の作業へ割り当てます。

どの程度の性能が必要かを決める

機能は「何をするか」、性能は「どの程度できるか」を表します。
異常を知らせるなら、検出できる変化、通知までの時間、許容できる誤警報などを定めます。
正常時だけでなく、電源の断絶や通信の停止など、想定する異常時の振る舞いも必要です。

要求は、用途と使用環境に基づいて決めます。
単に高精度、高速、高出力を目指すと、費用や消費電力が増え、利用者の目的に対して過剰になる場合があります。
満たすべき条件と、余裕があれば改善する条件を分けます。

設計案の比較では、要求と機能の対応を確認します。
一つの機能を複数の部品へ分担させる場合は、情報やエネルギーの受け渡し、処理の順序、時間の制約も合わせて検討します。

部品から全体へ確認する

個々の部品が仕様を満たしていても、組み合わせた製品が目的を達成するとは限りません。
部品単体の試験に加え、機能のつながりを確認し、最終的に利用状況に近い条件で評価します。

監視製品なら、温度を測れることだけでなく、異常を与えたときに管理者へ必要な情報が届くまでを確認します。
その際、試験した条件と、まだ確認していない条件を記録します。

機能を起点に考えると、別の技術や構造へ置き換える余地も見つけられます。
ただし、機能の性能だけを最適化せず、使いやすさ、安全性、製造や保守の条件と合わせて設計を判断します。

参考資料