将来の技術や必要な能力について、直接のデータが少なく、専門家の判断を集めたい場合があります。
デルファイ法は、専門家などが独立して回答し、集約された結果を見て再回答する過程を繰り返す方法です。
回答の匿名性、反復、管理されたフィードバックが特徴です。

会議での発言と違う集め方

仮に、物流の自動化がどの条件で普及するかを調べるとします。
一度の会議では、立場の強い人の意見や、最初の発言に議論が引かれることがあります。
デルファイ法では、最初に各参加者へ同じ問いを提示し、他の人の回答を聞く前に判断と理由を記録してもらいます。

集約後は、回答の分布や、判断の異なる理由を示します。
参加者はそれを踏まえ、自分の回答を維持するか変更するかを検討します。
回答者の名前を出さずに意見を共有することで、人物への遠慮と内容の検討を分けやすくします。

問いと参加者の設計

普及する年だけを尋ねるより、費用、制度、現場の技能など、判断を左右する条件も質問します。
「普及」が何を意味するかも、対象地域や導入割合などでそろえます。
参加者には、対象の技術や利用現場について異なる経験を持つ人を含めるかを検討します。

何回繰り返すか、合意とみなす条件、合意しない場合の記録方法を事前に定めます。
途中で回答をやめた人が多いと、残った意見だけが一致して見える可能性もあります。
各回の参加状況と、集約の方法を残します。

一致と正しさを区別する

専門家の回答が近づいても、その予測が正しいと確定するわけではありません。
同じ前提や情報源に依存していれば、共通した誤りも起こり得ます。
少数意見や条件付きの回答を、合意を作るためだけに消さないようにします。

結果は、シナリオ分析の条件や、追加調査の優先順位へつなげられます。
将来を一つの数字に固定するために使うより、判断の根拠と不確実さを共有する材料として扱います。

参考資料