一般的な顧客がまだ強く感じていない問題へ、すでに工夫して対処している利用者がいます。
リードユーザーは、市場で後に広がるニーズを先に経験し、その解決から大きな便益を得る利用者です。
von Hippelの原論文は、この二つの条件を使って、新製品の発想につながる利用者を捉えています。
新製品を早く買うアーリーアダプターとは、分類の軸が異なります。

問題と自作の工夫を探す

たとえば、山間部で点検する担当者が、圏外でも写真と位置を整理できる独自の仕組みを作っているとします。
通信がある場所の利用者には、まだその問題が強くないかもしれません。
もし点検の範囲が広がり、同じ条件の人が増えるなら、その工夫は将来の製品の候補になります。
ただし、市場が同じ方向へ進むかは、別に確かめる必要があります。

調査では、何に困り、どの程度の便益を期待し、どんな変更を加えたかを聞きます。
完成した道具だけでなく、試してやめた方法と失敗も調べます。
工夫の目的と、本人の専門知識に依存する部分を分けます。
高度な利用者が使えることと、広い顧客が使えることは同じではありません。

解決策をそのまま複製しない

独自の仕組みが有用でも、製品化には品質、導入、支援、権利、提供費用を検討します。
点検の例なら、一般の担当者が設定できるか、誤った記録を検出できるかを追加で確かめます。
自作の自由さを製品に持ち込むと、使う側の設定負担を増やす場合があります。
ニーズと仕組みを学び、対象顧客に合う形へ設計し直します。

また、強いニーズを持つ人は、特殊な環境で働いている可能性があります。
その条件が一般市場へ広がらないなら、用途を限定した製品のほうが適切かもしれません。
先進的であることを、将来の多数派の保証として扱わないようにします。

協力の条件を整える

知識や試作品を見せてもらう場合は、調査の目的と成果の使い方を合意します。
本人が作った道具と、所属組織の知的財産や機密が関係することもあります。
共同開発をするなら、役割と成果の扱いを具体化します。

候補の人数を増やすことより、どのニーズの先行を確かめたいかを明確にします。
早い購入はアーリーアダプター、現場での工夫の調査は顧客現場訪問、協力関係はアライアンスを参照してください。

参考資料