全国へ販売する前に、広告や売り場を模した条件で製品が選ばれるかを調べる方法があります。
模擬テスト市場(Simulated test market)は、実市場に近づけた購買場面を作り、選択や使用の反応から市場成果を推定する調査です。
PDMAの用語集は、広告と購買を模した状況での反応を、予測モデルと仮定へ結びつける方法として説明しています。

購買場面を構成する

たとえば、新しい洗剤を、既存ブランドと並べて評価するとします。
製品の説明、広告、価格、棚の位置を提示し、どれを選ぶかを記録します。
その後に家庭で使ってもらえば、初回の選択と使用後の評価を分けられます。
「欲しいですか」と新製品だけを示す場合より、代替品を含む比較に近づけられます。

ただし、どこまで再現するかは調査の目的に合わせます。
広告の効果を知りたいなら、価格や棚の条件をむやみに変えないようにします。
製品全体の販売を予測したいなら、通常の購入頻度と流通条件も考慮します。
模擬環境を精巧に作ること自体が目的ではありません。

予測に入れた前提を示す

調査内の選択率が、そのまま発売後の市場シェアになるとは限りません。
実際には製品を知らない人、店に商品がない人、値引きで選ぶ人がいます。
広告への接触、配荷、再購入など、どの条件をモデルで補ったかを明示します。
過去の製品で補正した場合は、その製品と新製品の条件が似ているかを確認します。

洗剤の例で、参加者全員が新製品の広告を十分に見ていたなら、自然な認知の条件とは違います。
また、調査用の予算で選ぶ場面と、自分の生活費で買う場面は同一ではありません。
調査の設定が生む違いを、結果の限界として示します。

比較と改良へ使う

複数の包装や説明を比べ、どの条件で選択が変わるかを知る材料になります。
ただし、包装を選んだ理由は選択の記録だけではわからないため、必要に応じて聞き取りを加えます。
製品を実際に使うと不満が出るなら、広告だけを強めても再購入は続かない可能性があります。

予測値は一つに固定せず、認知や配荷が想定から外れたときの幅も確認します。
模擬環境で得た知見を、小さな実市場で確かめる計画へつなげます。
販売条件を組み合わせるテストマーケティング、各要素を分けるATAR、再購入を見るセールスウェーブ調査を参照してください。

参考資料