製品失敗は、開発した製品が、事前に定めた事業や市場での目的を達成できなかったことを指します。
PDMAの用語集も、開発計画や市場での目標を満たさない案件として扱っています。
装置が壊れるという技術上の故障とは、区別して考える必要があります。
仕様どおりに動く製品でも、購入や継続利用につながらなければ、事業の目標は達成できません。

どの目的に届かなかったか

仮の例として、飲食店の在庫確認を省力化するサービスを考えます。
試験では正しく動き、予定どおり発売できたものの、設定の手間が大きく、多くの店舗が利用を続けなかったとします。
この場合、納期と技術品質を達成したことと、顧客が継続的に便益を得たことを分けて評価します。
売上の不足だけを見ても、離脱の原因は分かりません。

開発前には、対象顧客、利用後に期待する変化、事業上の目標、判定する時点を明確にします。
発売直後と数年後では、評価できる成果が異なります。
後から達成しやすい指標へ置き換えたり、逆に当初は想定していなかった目標で失敗と決めたりしないように、前提の変更も記録します。

撤退と学習を同時に考える

振り返りでは、顧客理解、解決策、導入、価格、提供体制などに分けて、証拠を確認します。
「市場が早すぎた」「営業が弱かった」といった説明だけで終えず、どの判断がどの情報に基づいていたかを調べます。
関係者の意欲や能力だけを原因にすると、次の案件で修正すべき仕組みを見落とします。

失敗から知識を得られても、投資や顧客への影響が消えるわけではありません。
改善を続けるか中止するかは、ここまでの費用ではなく、残る機会と今後必要な資源で判断します。
検証の結果、開発前に見送った案も、発売後に目標へ届かなかった製品と同じ扱いにはしません。
評価対象を分けることで、早い検証を避ける動機を作らずに、事業成果への責任を確認できます。

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