商品を買う人と、実際に使う人は、同じとは限りません。
消費者(Consumer)は、日常の市場の文脈では、個人や家庭の目的で製品やサービスを利用する人を指します。
一方、新製品開発の文献では、企業の対象となりうる人を広く指し、まだ購入していない人や法人の利用者まで含む場合があります。
PDMAの用語集も、この広い用法を採っています。
どちらの意味で使うかを最初にそろえます。

購入と使用を分ける

たとえば、高齢の家族のために、別の家族が調理家電を買う場面を考えます。
購入者は価格、配送、支援を確認し、使う人は日々の操作と手入れを経験します。
購入者へだけ聞くと、実際の調理で困る点を見落とすかもしれません。
使う人へだけ聞くと、比較と契約の障害がわからない場合があります。

対象を記述するときは、「家庭向け」といった大きな分類に加えて、役割と利用場面を示します。
本人が操作するのか、誰かが準備するのか、複数人で共有するのかを確認します。
使い始める前後と、片づけや保守まで見れば、製品の中心機能だけではわからない負担を把握できます。

買っていない人も調べる

既存顧客の声は、選ばれた製品の経験を理解する材料です。
ただし、買わずに別の道具を使う人や、問題をそのままにしている人の条件は含まれません。
新しい市場を検討するなら、競合製品の使用者と、現在は購入していない人も調査候補へ入れます。
未購入を需要がない証拠と決める前に、費用、機会、利用環境を調べます。

調理家電の例なら、便利だと感じても置く場所がなければ購入できません。
使う頻度が低く、レンタルや家族との共有で足りる場合もあります。
消費者を購入へ誘導する話だけでなく、現状の選択が本人に合理的な理由も確認します。

属性から行動を決めない

年齢や所得は対象の把握に役立ちますが、同じ属性の人が同じ使い方をするとは限りません。
生活の状況、知識、身体条件、周囲の支援によって必要なものが変わります。
属性の名前へ期待や性格を貼りつけず、観察した行動と具体的な説明から理解します。

調査結果には、どの意味の消費者を、どの条件で調べたかを残します。
役割の整理は顧客、個人や家庭の購入の場は消費者市場、目的の捉え方は消費者ニーズを参照してください。

参考資料