機能が備わっていても、必要な操作がわからなければ、利用者は目的を達成できません。
ユーザビリティ設計は、想定する利用者が、使う環境の中で、目的を達成しやすいように製品やサービスを設計する活動です。
操作画面の見た目に加え、理解、誤りからの回復、作業の負担も扱います。

利用者と課題を具体化する

仮に、倉庫の作業者が端末で出荷を確認するとします。
事務机で画面を操作する場合と、手袋をして荷物を持つ場合では、必要な設計が違います。
誰が、どの仕事を、どんな条件で行うかを調べます。

初回の学びやすさと、慣れた人の作業の速さも、同じ評価ではありません。
どちらを優先するかを、利用頻度と仕事の性質から考えます。
短い操作にするために必要な確認を省いて、取り違えを増やしていないかも確認します。

課題を使って観察する

設計案を評価するときは、「この画面は使いやすいか」という感想だけでなく、具体的な仕事を依頼します。
出荷の例なら、対象の注文を探し、品目を照合し、処理を完了する流れを観察します。
完了できたか、どこで迷ったか、押し直しや取り違えが起きたかを記録します。

利用者が止まった際に、調査者がすぐ正解を教えると、実際の問題を見逃します。
操作中の事実と、その後に聞いた理由を合わせて、設計のどこを変えるかを検討します。
修正した案でも同じ課題を試し、別の問題を増やしていないかを確かめます。

製品全体の体験

ログイン、説明、入力、完了の通知、やり直しまでを含めて設計します。
中心の画面が操作できても、利用開始の準備や失敗時の対応で行き詰まる場合があります。
支援が必要な利用者や、異なる入力方法でも目的を達成できるかを確認します。

ワイヤーフレームやモックアップは、実装前に使い勝手を調べる材料になります。
測定に使う指標は、速さだけに固定せず、誤りや達成状況、利用者の理解も踏まえて選びます。

参考資料