派生製品を毎回ゼロから設計すると、似た機能の開発と試験を繰り返すことになります。
プラットフォーム製品(Platform product)は、複数の派生製品に共通する設計や部品を提供する基盤です。
製品開発の文脈では、売り手と買い手を仲介する市場型サービスとは区別して使います。
PDMAの用語集も、製品ファミリーが共有する設計と構成要素として説明しています。

共通化する範囲を選ぶ

たとえば、携帯型測定器の入門機と高精度機を同時に展開するメーカーを考えます。
電源、通信、表示の基本部分を共通にし、センサーだけを用途に応じて変えれば、各機種の開発を短縮できる可能性があります。
ただし、高精度機の大きな電源を入門機にも使うと、価格や重量が顧客の条件を超えるかもしれません。
共通化できることと、共通化する便益があることを分けて判断します。

候補部品を選ぶときは、何機種で使うかだけでなく、性能の幅、将来の変更、調達条件を並べます。
共有部分と、各製品で変えてよい部分の接続条件を決めます。
外形が同じでも電力やデータの意味が違うなら、簡単に取り替えられるとは限りません。
共通基盤の制約が、派生製品の約束する便益を妨げないかを確認します。

基盤の費用と利益を分ける

共通基盤には、最初に余分な設計と試験が必要になる場合があります。
最初の一機種だけに費用を負担させると、その製品は不採算に見え、逆に将来の派生機種を過大に見積もると基盤への投資を回収できません。
予定する製品数と、実現しなかった場合の費用を示します。
共通部品の購買量が増える便益だけでなく、仕様調整と変更管理の仕事も含めます。

また、同じ部品の不具合が全機種へ及ぶ可能性があります。
試験を一度で済ませられる範囲と、機種ごとの環境で再確認する範囲を定めます。
携帯型測定器なら、防水構造や周辺部品が違えば、同じ電源でも温度条件が変わるかもしれません。
基盤の合格を派生製品全体の合格に置き換えないようにします。

誰が更新を決めるか

一機種の要望で共通部分を変えると、他機種の試験と保守にも影響します。
共有部分の変更を判断する担当者と、互換性を保つ期間を決めます。
派生製品側が独自の変更を積み重ねた場合は、実際に何が共有されているかも見直します。

基盤全体を設計する考え方は製品プラットフォーム、部品と関係の決め方は製品アーキテクチャを参照してください。

参考資料