「顧客が得たい便益」と「その便益を届ける具体的な製品」を分けると、設計の選択を話し合いやすくなります。
有形製品(Tangible product)は、物理的な実体を持つ製品を指すほか、マーケティングでは、品質、特徴、デザイン、ブランド、包装などで具体化された製品の層を指す場合があります。
後者はActual productやFormal productとも呼ばれます。

便益をどの属性で実現するか

たとえば、持ち運び中に飲み物の温度を保ちたい人へ、水筒を提供するとします。
容量、重さ、断熱性能、飲み口、洗いやすさ、外観などが、具体的な提供の条件になります。
温度を保つという便益だけでは、どの製品を選ぶかは決まりません。
使用する時間や場所を調べ、どの属性が必要かを検討します。

属性同士の調整

容量を増やせば、持ち運ぶ重さや大きさも変わります。
断熱の構造を厚くすれば、洗浄や製造へ別の制約が出るかもしれません。
一つの数値を最大にするのではなく、利用者の状況に照らして比較します。
試作品を使い、満水時の持ちやすさ、口の使い方、洗う手順などを確認できます。

ブランドや包装も、内容の識別や品質への期待に関わります。
ただし、外観がよいことと、実際の性能が確認されたことは別です。
表示や説明と、検証した条件をそろえます。

サービスとの単純な二分にしない

市場の提供には、物とサービスが組み合わされる場合があります。
水筒の本体に交換部品の供給や修理を加えるなら、物理的な性質だけでは提供全体を説明できません。
また、製品の層を表すモデル上のTangible productは、経済統計で財とサービスを分ける分類と同じ目的ではありません。
どの意味で使っているかを明示します。

中核製品は便益、拡張製品は関連する支援などを含む視点として参照できます。
三つを互いに無関係な製品群と考えず、同じ提供を異なる面から整理するために使います。
提供の全体を考える際はホールプロダクトも関連します。

参考資料