自社の売上が増えていても、市場全体がさらに速く伸びていれば、競争上の位置は変わります。
市場シェアは、定義した市場全体の売上や販売数量などに占める、自社製品やブランドの割合です。
Circanaの用語集も、自社売上をカテゴリー全体の売上で割る指標として説明しています。
分子と分母で、単位、期間、市場の範囲をそろえます。

金額と数量を分ける

仮に、ある地域の年間販売数量が一万台で、自社が二千台を販売したなら、数量シェアは20%です。
ただし、自社製品の単価が市場平均より高ければ、金額シェアは同じ20%にならない場合があります。
利用者数と有料契約数、出荷と最終購入なども別の指標です。
「シェアが上がった」と報告するときは、何を数えたかを示します。

市場を定める際は、地域、用途、対象顧客、製品の種類を明確にします。
自社に有利な小さい範囲だけを分母にすると、見かけ上の高さを作れます。
反対に、実際には競合しない製品を広く含めると、顧客の比較が見えません。
何の判断に使う市場定義かを説明します。

率の変化を実数へ戻す

自社売上が二割増えても、市場が五割増えればシェアは下がります。
逆に、市場が縮んで競合がさらに減ったため、売上が減ってもシェアが上がる場合があります。
割合と、自社および市場の実数を合わせて見ます。
小さな市場や短い期間では、少数の大口契約で率が大きく変わる可能性があります。

売上の測定経路も確認します。
店舗の販売データだけでは、通販や直販を覆っていないかもしれません。
調査対象外の経路を推定している場合は、その仮定と、わからない範囲を示します。
異なる調査会社のシェアを、そのまま前後比較しないようにします。

シェアと採算を分ける

値下げして数量シェアを高めても、提供費用に見合う収益が残るとは限りません。
目標にする理由と、獲得にかかる費用、継続する顧客の便益を合わせて確認します。
高いシェアだけで製品の品質や顧客満足が高いと結論づけることもできません。

シェアは競争を調べる入口で、変化の原因を自動的に説明する指標ではありません。
価格、配荷、顧客構成などを追加で調べます。
売上の地域差はブランド開発指数、獲得の方針は市場浸透、情報源の確認は二次市場調査を参照してください。

参考資料