成熟した市場でも、事業が継続的な資金を生み、ほかの投資を支えることがあります。
金のなる木は、BCGの成長シェアマトリクスで、市場成長率が低く、相対的な市場シェアが高い事業を指します。
BCGの解説は、事業間の資源配分を考える分類として示しています。

利益と資金を分ける

仮の例として、長年使われている業務用帳票プリンターの事業を考えます。
新規市場の成長は小さくても、設置済みの顧客へ機器や消耗品を供給して資金を生む可能性があります。
ただし、高いシェアがあることだけで、十分な現金が残るとは確定しません。
在庫、売掛金、設備の更新、保守費用まで含めて確認します。

分類に使う市場も明示します。
業務用印刷全体で見るか、特定の帳票用途で見るかによって、成長率とシェアは変わります。
相対シェアは比較する競合の範囲に依存するため、自社内の売上構成比と混同しないようにします。
どの期間とデータで分類したかを残します。

維持に必要な投資

成熟事業から資金を得ることと、投資をすべて止めることは別です。
部品の供給、品質、保守の能力を維持できなければ、顧客の継続利用を失う可能性があります。
プリンターの例なら、古い接続方式に対応する費用や、消耗品の生産量を調べます。
将来の資金を生むために必要な支出と、成長を狙う支出を分けます。

一方、市場の縮小や代替手段への移行が進むなら、現在の資金創出を将来まで固定して予測できません。
顧客の買い替え、保守契約、消耗品の減少を追い、提供範囲と終了計画を考えます。
収益の大きい顧客へ追加機能を売ることだけで、利用そのものが減る原因を解けるとは限りません。

マトリクスは、二つの軸で事業を整理する補助です。
収益性、技術変化、事業間の関係まで自動的に評価するものではありません。
分類名だけで投資や撤退を決めず、実際の資金、顧客の変化、維持に必要な能力を確認します。
他事業へ回す資源と、顧客へ約束した提供を続ける資源を分けて判断します。

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