新製品の売上が伸びないとき、知名度の不足と再購入の少なさでは、必要な対応が異なります。
ATARは、認知、試用、入手可能性、反復購入という要素から、販売の見込みを考えるモデルです。
PDMAの用語集でも、新製品の売上予測に関わるモデルとして挙げられています。
一つの予測値を作るだけでなく、何の条件が不足しているかを分けるために使えます。

四つの条件を確かめる

  • 認知:対象者が製品の存在を知っているか。
  • 試用:知った人が初回の購入や利用へ進むか。
  • 入手可能性:購入したい場面で買えるか。
  • 反復購入:試した人が、再び買うか。

たとえば、新しい即席スープを限定販売する場合を考えます。
広告を見て興味を持つ人がいても、普段使う店舗に商品がなければ購入できません。
試食の評価が高くても、家庭で調理したときの味や価格が合わなければ再購入は続きません。
各条件を分けることで、広告、流通、製品のどこを調べるかを選べます。

率の分母をそろえる

数値化するときは、どの対象者の、どの期間の率かを明示します。
認知者のうち試した割合と、全対象者のうち試した割合は別の数値です。
同じ条件を二重に差し引くと、予測を過小にする可能性があります。
反対に、試食した人の全員が店で買うと見なすと、試用の条件を飛ばします。

簡略化して要素を掛け合わせる場合にも、各率をどの条件付きで定義したかをそろえます。
反復購入の回数や、一回あたりの購入量まで含めるかによって、得られる量は顧客数と販売数量で変わります。
式を使う前に、予測する対象を定義します。
モデルの名称だけから、すべての業種で使える一つの式が決まるわけではありません。

予測を改善の判断に使う

スープの例で、店に置けた範囲が小さいなら、広告を増やす前に購入できる場所を調べます。
初回購入はあるが再購入が少ないなら、実際に飲んだ人に利用場面と代替品を聞きます。
季節や値引きも影響するため、条件の違う実績をそのまま掛け合わせないようにします。

発売前の各率は仮定を含みます。
一つの数字を確定値として示さず、前提を変えた場合の見通しも置きます。
発売後には実績を入れ、外れた要素の理由を調べます。
繰り返し使う製品と、一度しか買わない耐久財では反復の意味も違います。

認知の測り方は認知、反復購入の調査はセールスウェーブ調査、販売条件の確認はテストマーケティングを参照してください。

参考資料