個別案件の点数を足して選ぶだけでは、事業が目指す投資の配分にならないことがあります。
トップダウン型ポートフォリオ選択は、戦略から重点領域と資源の枠を定め、その範囲で案件を選ぶ方法です。
Stage-Gate Internationalが示す戦略的バケットは、この考え方の一つです。

戦略を配分の条件に変える

たとえば、製造機器の会社が、既存機の更新だけでなく、遠隔保守を新しい事業に育てたいとします。
既存機の改良案は実績に基づく利益を説明しやすく、未知の遠隔保守案は予測が不確かです。
全案を一つの順位表で比べると、新事業の探索がいつまでも後回しになる可能性があります。
そこで、既存事業、新事業の探索、共通技術など、方針に沿う投資領域を作ります。

配分は金額だけでなく、実際に使える専門家や設備に置き換えます。
予算だけを確保しても、必要な技術者が既存案件を抱えたままなら探索は進みません。
どの仕事を減らすか、外部から能力を得るかまで決めます。
割合には唯一の正解があるわけではなく、事業の状態と達成したい変化から選びます。

枠の中でも案件を選ぶ

新事業の枠があっても、根拠の乏しい案をすべて始める必要はありません。
その枠の中で、顧客の問題、技術の実現性、得られる情報、必要な費用を比較します。
遠隔保守なら、先に少数の顧客でデータ取得と有料提供の条件を試す案を選べます。
未使用の予算を使い切ることを目的にすると、戦略との整合があっても無駄な投資が増えます。

逆に、有望な候補が枠を超える場合は、経営へ配分の見直しを提案します。
最初の割合を固定して事実を無視する運用では、変化に対応できません。
追加の根拠と、他領域から資源を移した場合の影響を並べます。
例外を認めたら、配分の実績と判断理由を記録します。

上から決める範囲を限定する

経営がすべての機能を選ぶ方法とは限りません。
重点領域と目標を決め、具体的な解決策は顧客を調べるチームが検討する分担ができます。
どこまでを戦略上の制約とし、どこを現場の裁量にするかを明らかにします。
選ばれた領域の前提が崩れた場合に、現場から指摘できる経路も必要です。

実績の配分が方針と一致するか、同じ専門家への集中が解消したかを定期的に確認します。
個別案から積み上げるボトムアップ型ポートフォリオ選択と組み合わせ、バランス型ポートフォリオを点検します。

参考資料