「今月の解約は20件」という数字だけでは、状況が悪化しているかは判断できません。
契約者の数、前月までの推移、解約の定義を合わせると、判断に使える内容になります。
情報は、データが対象や文脈と結びつき、意味を持って解釈できるようになったものとして捉えられます。

データの意味を明らかにする

たとえば解約件数に、期限切れの無料アカウントを含める場合と、有料契約の終了だけを含める場合では、示す問題が違います。
同じ名称の指標でも、定義と集計範囲を確かめる必要があります。
情報を共有する際には、数字と一緒に対象期間、対象者、除外条件を示します。

また、集計した結果と、原因についての解釈を分けます。
「解約が増えた」は観察した変化ですが、「価格を上げたために増えた」は因果についての仮説です。
値引き期間の終了や顧客構成の変化など、他の説明も確かめるまで混同しないようにします。

判断に必要な形で伝える

仮に、顧客支援の責任者が、問い合わせへの対応を増員するか決めるとします。
全問い合わせの件数だけでなく、発生した理由、解決までの時間、再問い合わせの割合があれば、別の対策も比較できます。
製品内の説明を直せば減る問い合わせなら、人員を増やす以外の選択肢があります。

情報を作る前に、利用する人と決めたいことを確認します。
同じ記録から作る資料でも、日々の当番を決めるための集計と、翌年度の体制を決めるための集計では、必要な期間と細かさが異なります。

確かさと更新時点を共有する

推定値を含む場合は、測定した事実と推定の前提を示します。
また、過去に正しかった内容も、製品の利用条件や顧客が変われば、そのまま使えないことがあります。
更新日、根拠となる記録、管理する担当を残すと、後で確認し直せます。

データを集めることと、判断に必要な情報を得ることには、この整理と解釈の仕事があります。
ダッシュボードも、見る人が何を判断するかを決めてから設計します。

参考資料