予約の画面が使いやすくても、当日に受付で予約が見つからなければ、利用者の体験は良くなりません。
ユーザー体験(User experience、UX)は、利用者が製品、サービス、提供する組織と関わる中で経験すること全体です。
NormanとNielsenの定義も、ユーザーインターフェイスより広い範囲を扱っています。
画面の美しさと同じ意味にはしないようにします。

目的を終えるまでの範囲

たとえば、貸し会議室を予約するサービスを考えます。
利用者は部屋を探し、設備を確認し、支払い、入室し、利用後に退出します。
鍵の受け取り、現地の案内、変更と返金も、目的を達成する条件になります。
アプリの中だけを改善しても、ほかの接点の問題が残る場合があります。

まず、誰が、何をするために、どの状況で使うかを定めます。
初回の幹事と、毎週利用する担当者では、必要な情報と経験が違います。
一人で操作する場面と、複数人を案内する場面も分けます。
平均的な利用者を想像するだけでは、具体的な制約を選べません。

行動と主観の両方を見る

使いやすさでは、目的を達成できるか、時間と負担、誤りから回復できるかを調べます。
体験全体では、期待、安心、満足など、本人の評価も確認します。
予約が速く終わっても、料金と取消条件がわからず不安が残るかもしれません。
指標を一つにまとめず、問題に対応する証拠を選びます。

会議室の例なら、予約完了率、当日の入室、問い合わせ、利用後の評価を別に追えます。
クリックが少ないことだけで良い体験とは判断できません。
説明を省いて操作が減った結果、現地で迷うなら、負担が別の場所へ移っています。

部署をまたいで改善する

受付や問い合わせが別部門なら、画面の担当者だけでは問題を解けない場合があります。
利用者の行動を時系列に並べ、問題がどの引き継ぎで起きたかを確認します。
修正する担当、期待する変化、確認する方法を決めます。
部署ごとに良い指標を出していても、全体の目的が達成されているかを見ます。

UXを一度のアンケートや設計工程の名前だけで扱わず、利用前後の変化も継続して調べます。
対象、時点、環境が変われば評価も変わるため、条件を残します。
操作の接点はユーザーインターフェイス、流れの整理はジャーニーマップ、具体的な経験の把握はデプスインタビューを参照してください。

参考資料